社会福祉法人 遠野市保育協会

「おやすみなさ～い」と、事務室のすぐ外からかわいらしい声が聞こえてきました。「きっと何かごっこ遊びかな？」と思いそっと覗いてみると、５歳児の女の子ふたりがシートに包まりながら寝ています。「寝ますよ」とひとりはお母さん役になりきっているようです。あっという間に朝が来たようで「車で行こうかな」と、もうひとりの女の子がスクーターに乗って出かけていきました。その後を「転ばないでね～」「気を付けてね～」と声色を変えながら追いかけるその姿はまるでお母さん。きっとその子も、そんな風に優しく声をかけてもらっているのでしょうね。ふたりの間にはそれ以上会話はなくても、通じ合って何とも微笑ましい遊びです。少しするとふたりは戻り「もう夜だね」「夕方だよ」「よし寝ようか」とまたシートに包まり、寝たかと思ったら「あ、こうしてられなかった！」とお母さんが飛び起きました。「なになに？なんでこうしてられないの？」とひそかに見ていたこちらもワクワク！器に砂を詰めてひっくり返し、ドーム型の砂の上に花を飾ってケーキ作りを始めたのです。「きっと誕生会のケーキかな？」と思いながらその後もケーキ作りに没頭する姿をそっと見守りました。「ごっこ遊び」は、誰かや何かになりきったり真似たり、見立てたりしながらストーリーを展開していく遊びで、想像する力や物を作りだす想像力、表現する力、相手に合わせる協調性やコミュニケーション能力等が養われます。つい「何をしているの？」と声をかけたくなりますが、年齢に合わせてサポートしたり、より集中して楽しめるよう環境を作ってあげたりしながら子どもたちの世界観を大切にしていきたいと思います。